2017年04月14日

「昔はなし」その270 上等洋品店杉田六江

上等洋品店杉田六江

 魚町に杉田六江という人がいました。本
町に洋品店を開きましたが上等の高価品ば
かりでした。招魂祭のとき十五、六間四方
の小屋がけで、旗などをいっぱい立てて洋
品を陳列しました。
 祭礼に集った人々が何だろうと中をのぞ
くと、きれいな洋品類がいつぱいならんで
いるのです。ところで、上等品で値段も高
いので、のぞく人ばかりで買う人はいっこ
うありませんでした。
 六江は、その後洋品店は止して本町の横
町で株屋をやり、それも止めて三島の知人
から来いと言われてその資産家の別荘へは
いって詩文、書画の教授をたのまれ、そこ
で一生を終りました。
 先々代の田中田新とは懇意でした。
 六江は三島では詩文章、和歌の類で読み
難いものを何んでも読むと云うのが表看板
でありました。

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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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