2016年12月23日

「昔はなし」その163 安藤の豚会社

安藤の豚会社

 大池のかいどりでその名を全市に売った安
藤政次郎は、それから豚を飼うことをはじめま
した。そして市中から豚の餌を集めることにな
りました。例の伊達な法被(はっぴ)姿で「大日
本養豚会社、うっちゃるものか、捨てるものは
ありませんか」と大声で全市を呼んで歩きま
した。
 すると、どこの家でも「安藤が来た」といって
大根や菜っぱ切れを持ち出してきて門口に立
って待っています。安藤はピカピカするナイフ
をとりだして、野菜をこまかにきざんで箱に投
げこむのですが、そのナイフがまた変っていま
した。豊橋では、ナイフなどを見るのは珍らし
い頃でしたので、安藤のナイフといえば評判
でした。
 それから清水の住居を引払って、上伝馬裏
に動物園を開いて、豊橋の動物園の草わけと
なりました。そして安藤動物園の名は今も人々
になつかしい想い出となっているのです。


安藤動物園
「昔はなし」その163 安藤の豚会社


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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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