2017年04月03日
「昔はなし」その259 清州屋、井戸にしめなわ
清州屋、井戸にしめなわ
明治のはじめ黒田公が豊橋の清州屋とい
う本陣ヘ泊ったことがあります。
そのとき、本陣の役の人々が井戸にしめ
なわをはって黒田公が泊るまでは使用はな
らんと禁じました。一カ月ほどして、いよ
いよ明日は黒田公が到着という日に飯の係
りの者が井戸水をくんでみると、すっかり
濁ってしまって、ドロドロなんです。「こ
りや使えんわい」といっているところへ、
しめなわをはった男がやってきて「ここの
井戸水をくんだのは誰か」という詮議で
す。そして「濁り水で次いた飯ほどうまい
ものはない」というので、飯係が怒って、
「それなら貴公は濁り水で炊いた飯を喰っ
たことがあるか」「喰ったとも、喰ったこ
とのない者がとやかく言えるか」と大喧嘩
になりました。
あとで井戸へしめなわをはった男が「あ
の場合、喰ったと言わんことには男がたた
んからなあ」と笑っていました。昔の男は
妙なところで男を立てたものです。
明治のはじめ黒田公が豊橋の清州屋とい
う本陣ヘ泊ったことがあります。
そのとき、本陣の役の人々が井戸にしめ
なわをはって黒田公が泊るまでは使用はな
らんと禁じました。一カ月ほどして、いよ
いよ明日は黒田公が到着という日に飯の係
りの者が井戸水をくんでみると、すっかり
濁ってしまって、ドロドロなんです。「こ
りや使えんわい」といっているところへ、
しめなわをはった男がやってきて「ここの
井戸水をくんだのは誰か」という詮議で
す。そして「濁り水で次いた飯ほどうまい
ものはない」というので、飯係が怒って、
「それなら貴公は濁り水で炊いた飯を喰っ
たことがあるか」「喰ったとも、喰ったこ
とのない者がとやかく言えるか」と大喧嘩
になりました。
あとで井戸へしめなわをはった男が「あ
の場合、喰ったと言わんことには男がたた
んからなあ」と笑っていました。昔の男は
妙なところで男を立てたものです。
Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)
│豊橋の昔はなし