2017年04月02日

「昔はなし」その258 相撲狂の石川錦一郎

相撲狂の石川錦一郎

 尾張の新川に石川錦一郎という素封家が
ありました。この人は大の相撲フアンで、
相撲となると、東京にかぎらず大阪でもど
こでも出かけました。そして豊橋へもやっ
てくるといつた具合でした。
 酒はのみませんでしたが喰物がぜいたく
でした。しかし、飯を喰うとき、膳の前に
相撲取がいないと飯がうまくないというの
です。まだ若い十代のーー番附にものらな
いような相撲取を前において、飯を喰うの
がいつもの例でした。
 日清の戦いのおり、私が駅へ兵隊を見送
りにいくと向こうから兵隊をのせてきた列
車の中で石川錦一郎をちらりと見たことが
ありますも星一つの二等兵でなんだか気の
毒な思いでした。
 無事に凱旋されたようですが、そののち
も相撲には相変ずこっていたようです。

同じカテゴリー(豊橋の昔はなし)の記事画像
「昔はなし」その177 豊川鉄道の開通式
「昔はなし」その163 安藤の豚会社
「昔はなし」その151 三千円で失つた機関庫
「昔はなし」その143 仙十さんの太閤ぶり
「昔はなし」その135 悟真寺の池
「昔はなし」その112 浮世絵と川せり
同じカテゴリー(豊橋の昔はなし)の記事
 「昔はなし」その312 あとがき (2017-05-26 06:00)
 「昔はなし」その311 札木の八日講の御膳所 (2017-05-25 06:00)
 「昔はなし」その310 服部長七の鋭い頭 (2017-05-24 06:00)
 「昔はなし」その309 豊沢団平の三味線 (2017-05-23 06:00)
 「昔はなし」その308 浅吉、高利以上だと嘆く (2017-05-22 06:00)
 「昔はなし」その307 皇太子の料理人の苦労 (2017-05-21 06:00)
Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。