2017年03月09日

「昔はなし」その234 京都の「ふ」と「豆腐」

京都の「ふ」と「豆腐」
 
 幽斎の茶会のお弁当の中に「フ」と「豆腐」が
はいっていました。まことによい味でした。
 高洞院の僧にたずねますと大徳寺の門前で
売っているというので、これは土産にしたいも
のだと思い門前の「フ屋」へ行って三百個ほど
くれと言って包んでもらいました。さて、おいくら
かというと、一円五十銭だというのであまり安
価とおもい聞きなおすと、一つが一円五十銭
と聞いて驚きました。「それでは五つだけにし
て下さい」と包みなおしてもらいました。
 つぎは豆腐屋へ行って、まず今度は値段を
聞くと一丁が八十銭だというのです。当時普通
の豆腐が一丁二銭かそこいらの時分ですか
ら、一丁八十銭には驚きました。旅の恥と申す
か私の京都での失敗談です。


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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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