2017年02月24日

「昔はなし」その221 門松のはなし

門松のはなし

 昔の門松は暮の三十日頃にたてたものです。
 今はコンクリになったから、どうにもいけませ
んが、御正月用にと、どこの家でも蔵ってある
金環のついたクイをとりだしてきて、それを土
中にうって松をたてるんです。全町内にその音
がひびいて、正月の近づく感じがひびいてきた
ものです。
 門松を七・五・三に結ぶなわも新なわで、ど
の店も出入の人たちにたのんで、田舎からも
つてきてもらいました。梅や竹を添えるのは後
のことです。屋根より高い松を用いるのも後の
世のことです。私どもは、暮の迫らないうちに
高師辺まで松を見に行っておいて、門松の予
約の札をさげてきたものです。
 松の頂きよりも、支え丸太の頂きがちょっと出
ているのが面白いといわれていました。門松へ
しめなわをはるのも後のことで、私の子供のこ
ろはいたしませんでした。


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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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