2017年02月23日

「昔はなし」その220 汁粉と永谷新九郎

汁粉と永谷新九郎

 本町で永谷新九郎の弟が雑貨店を開いてい
ました。当時、森永キャラメルが創製されて売
出され、この新九郎の弟の店でもそれを売る
ようになりました。
 森永の主人公が、豊橋へやってきて、まだほ
んの数軒の扱い店を招待することになりました
が、新九郎の弟は都合が悪くて出かけられな
いので、兄を代りに出席させました。
 新九郎は経済家で酒好きでしたが家では余
りのみませんでした。招待というからには酒も
出ることだろうと思いこんで出かけてみると、
出るのは汁粉、寿司などで、酒はいっこう出そ
うでありません。
 「永井さん、おはしをどうぞ」と言われても「は
い」と言うだけで、酒好きの永井はどうにも困っ
てしまいました。
 「用事を思い出しまして……」と永井はとうと
う中座して家へ戻り、コップでぐいとやって酒の
虫をおさめたんですが、森永の主人公は御承
知のようにクリスチャンなので、こういう席でも
酒は出しませんでした。

注:永谷が途中で永井に変わっていますが、
原文通りです。どちらが本当か分かりません
ので、そのままにして有ります。

同じカテゴリー(豊橋の昔はなし)の記事画像
「昔はなし」その177 豊川鉄道の開通式
「昔はなし」その163 安藤の豚会社
「昔はなし」その151 三千円で失つた機関庫
「昔はなし」その143 仙十さんの太閤ぶり
「昔はなし」その135 悟真寺の池
「昔はなし」その112 浮世絵と川せり
同じカテゴリー(豊橋の昔はなし)の記事
 「昔はなし」その312 あとがき (2017-05-26 06:00)
 「昔はなし」その311 札木の八日講の御膳所 (2017-05-25 06:00)
 「昔はなし」その310 服部長七の鋭い頭 (2017-05-24 06:00)
 「昔はなし」その309 豊沢団平の三味線 (2017-05-23 06:00)
 「昔はなし」その308 浅吉、高利以上だと嘆く (2017-05-22 06:00)
 「昔はなし」その307 皇太子の料理人の苦労 (2017-05-21 06:00)
Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。