2017年02月14日

「昔はなし」その211 松島茂三郎の義太夫

松島茂三郎の義太夫

 札木の人で、のちに呉服町へ越した松島茂
三郎という人がありました。慈善などで義太夫
を語るんだが、鎌倉三代記を語るうちに、時姫
と三浦之助があべこべになって、時姫の声色
で三浦之助のセリフをやりだすので場内がクス
クス笑いだしますが、先生はトンチャクなしで
男女をとりちがえて一段語り終って笑声がどっ
とあがるというわけです。
 御本人は楽屋へ戻るなり「だいぶ受けたよう
ですね」と大喜びなので、はたの者たちが「こう
いうわけだよ」と説明しても「そんな筈はない、
だいいち、役をとりちがえて語るわけはない、
そうだったら、あんなに客にうけるわけはない
よ」と言いはっているんでした。

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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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