2017年02月01日

「昔はなし」その198 酒の相手と酒井音七

酒の相手と酒井音七
 
 関屋に酒井音七という肥料問屋の先々代主
人は芸者遊びにも飽きてしまい、方々のお酌を
二、三人、自宅へよんできては、そのお酌で一
ぱいやるようになりました。
 これにもいつか飽いてしまうと、女あんまを頼
んできて、そのお酌でまたやりだしました。それ
にも飽きると、こんどは知人の医者を頼んで、
看護婦をよこしてもらつて、それを前へおいて
呑むのです。
 それも、いつか飽いてしまうと、こんどは表へ
出ていって歩いている知らない人に「一献差上
げるから」と云って連れこんでやりだしました。
知っている人より知らない人と呑むのが一興だ
といっておりました。昔は随分面白い人もあり
ました。

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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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