2017年01月22日

「昔はなし」その188 土足のままの大隈夫人

土足のままの大隈夫人

 大隈重信は治国平天下という本を書いて、そ
の宣伝のために豊橋へも参りました。ついでに
豊川稲荷へも参拝しましたが、沿道の老爺、老
婆にも心やすく話しかけて、その人気はたいへ
んでした。
 大隈重信は、どこへ行くにも一週間分の食糧
を用意していましたが、私の家へ泊られたとき
は、その食糧は棚上げされ、私どもの料理で
満足していただいたので、大いに光栄に浴し
た次第です。
 大隈重信の綾子夫人のエピソードですが、同
邸で園遊会が行われていたとき、急に雨が降
り出してきたので、夫人は書生や人夫を指揮し
て椅子やテーブルを新築の家の中へどんどん
運ばせ、自分から下駄ばきで、新築の家へ上
っていって「さあ、そのままで」と客も靴や下駄
のままで上らせたことがあります。
 この話しは新聞にもでましたが、突作の気転
と、小事にこだわらないところは、さすが大政治
家の夫人だと評判でした。

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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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