2017年01月12日

「昔はなし」その178 豊川まで一時間の汽車

豊川まで一時間の汽車

 豊川鉄道は豊川までまず走ることになりまし
た。箱…つまり客車輛ですが、一つの箱に十人
位が向いあって掛けるようになっていました。
まだ乗る人も少いようでした。なにしろ豊川まで
一時間の余もかかったんです。
 ある日、私も豊川まで乗ったんですが、余り
に汽車がのろいので「ばかにおそい汽車です
ね」と向い合いの客にいいますと、その客が
「いや、この汽車は早い方です」というのには
驚きました。
 その人はどこの国の人だったか覚えていませ
んが、その人の言うのには「私の国にある汽車
はもっとおそい、だから、こんな歌があります
よ」と教えてくれました。
  いそぎゃ人カ
  いそがにゃ歩け
  もっと、いそがにゃ汽車に乗れ
 という歌なんです。その人は豊橋―豊川間を
一時間余で走る汽車はなかなか早い汽車だ
とほめまくっていました。


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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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