2017年01月05日

「昔はなし」その171 龍庵の茶料理

龍庵の茶料理

 呉服町にいた坂輪龍庵のことは、何回も申し
ましたが、漢学に秀いでていたこの人は、茶道
においても、大した人物でした。私はそこで漢
学と茶道を学びました。
 ある日、龍庵が「今日は一緒に飯を喰ってい
け」というので、さぞ御馳走がでるだろうと待っ
ていると、いっさいが手料理です。しかも、その
ときの向う皿は自分の畑からとつてきた大根お
ろしにかつぶしをかけたもの、大根の葉のおし
たし、それに豆腐を求めてきて、それにねぎが
ふりかけてあって、あとは沢庵なんです。
 私は、お茶の料理というものを、 そのとき
「ああ、これがそうなんだな」とはじめて教えら
れた感がしました。もちろん龍庵は、そのおり、
料理はいっさい自分でやりました。


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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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