2016年12月17日

「昔はなし」その157 ひしやくで飲む管沼利吉

ひしやくで飲む管沼利吉

 酒の話しですが札木の「まいづる」の先々代
の菅沼利吉は冷酒が好きなんです。それをひ
しゃくでぐっと飲まないことには承知できない。
仕事をしながら片手にひしゃくをもって、ぐっと
飲むのが習慣でした。
 渥美郡役所の斎藤書記はチシャナの生にタ
マリをつけながら飲めば一升でも二升でもいけ
る男でした。といって、チシャナのほかに別の
馳走が目の前に沢山ならんでいないと面白く
ないのです。そしてチシャナがタマリの上を通
っていくときの匂いは何とも言えないと言って
いました。
 斎藤の妻君が、それならチシャナだけにして
家計の節約から他の馳走をつくるのをやめた
らと申しますと、それは困ると斎藤はいってい
ました。それでいて、チシャナ以外には手をつ
けないのです。
 角平の婆さんは九十六才位いで茶碗酒を飲
み、札木のおいち婆は五目飯で飲みました

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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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