2016年12月06日

「昔はなし」その146 売立と仙十

売立と仙十

 服部家の売立のときでした。呉春の肉筆の
茶碗が出ました。永井仙十が、私にそれを買う
ように頼んできました。
 いよいよセリになったとき、私にどんどん仙十
が値を上げさせるのです。当時の金で八百円
で落ちました。まさか、私がそんな大金で買うと
は思わないので、「誰だい千歳楼に買わせた
のは」とうるさいほどでしたが、さすが商売人た
ちは「永井仙十だろう」「仙十以外にはあれだ
けの値をつける者はいない」と見破っていたよ
うです。


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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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