2016年11月18日

「昔はなし」その128 シギ焼はすがれナスで

シギ焼はすがれナスで

 ナスのシギ焼というのがあります。当今では、
はしりの頃に、商売屋でナスが珍らしいときに
こういう料理を出しますが、はしりのナスには
真のシギ焼の味はありません。
 だいたい、シギ焼は家庭料理であって料理屋
向のものではないのです。シギ焼の普及した
のは京都からで、それも家庭向のものとして、
京都の豆腐屋が売っていたのです。 つまり、
油揚などをつくってしまったあとで、ナスの種の
多いスガレの丸型のものを輪切りにして、それ
へ味噌をのせて、油場げをあげ終った鍋へ入
れて焼いたものです。
 それが、得も言われぬ味で京都の家庭では
飯どきに、みんな買いに行ったものです。今
は、はしりのナスで、こういう料理をやっていま
すが、なすの味は無く味噌の味のみで、ほんと
うのしぎ焼の味はのぞめません。

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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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