2016年11月05日

「昔はなし」その115 羽田文庫と秀吉

羽田文庫と秀吉

 羽田文庫は羽田八幡社の神主の羽田野敬
雄栄樹が邸内へつくった私設文庫のことです。
私も、昔、その場所で拝見したが、今も記憶に
残っているのは、歴代の陛下の御肖像画集と
豊臣秀吉が能楽を宮中で舞つたことを記した
本です。
 秀吉が馬へ乗って、街を「明日はおれが宮中
で能を舞うから見にこい」と町人や百姓へ呼び
かけている絵でした。また、当日、見物が宮中
に出かけて秀吉の能を見ている図もありまし
た。能を見終った町人、百姓たちの言いぐさが
「いくら大閣さんが舞われても、こんな下品な
ものはみておれん」というのです。今これを考
えてみると舞楽などを見ていた町人、百姓の目
にも能楽は今様すぎて芝居みたいな感じだっ
たのでしょう。だけど、当時の一般の趣好がわ
かって面白いと思いました。



「郷土豊橋を築いた先覚者たち」より羽田野敬雄

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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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