2016年09月23日

「昔はなし」その72 実物見本の入浴

実物見本の入浴

 私の子供のころ風呂屋などはなく、家庭でわ
かしていました。そのころは鉄砲風呂という居
酒屋で酒のカンをつけるやつの大型みたいな
格構をしていました。鉄砲風呂は炭火でわか
したんですが、炭火は湯がやわらかくなって
気持のよいものです。
 この風呂桶の店が妙園寺の前を通って神
明町へまがる角の近くにできたことがありま
す。この店は、店先に風呂桶をおいて、一般
の人に入浴させていました。つまり実物宣伝
です。店先で風呂へ入れるんだからまる見え
です。一人しかはいれないので、仲間は、一
人が湯から上るまで将棋をさしたりくさ草紙を
よんで待っていたものです。入浴するときは、
一般家庭で便所に使用していた焼杉の両ぐ
り、藤つる鼻緒の下駄で、風呂場へはいる
んです。大人は文久二文(三厘)子供は文
久一文(一厘五毛)でした。



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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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