2016年09月12日

「昔はなし」その61 桂太郎、豊僑へ伺候

桂太郎、豊僑へ伺候

 名古屋師団長の桂太郎が旧藩主毛利元昭
が豊橋ヘやってきて私の家へ泊ったときにやっ
て参りました。桂太郎は昔のお殿様へ挨拶とい
うわけです。そのとき、桂太郎も新田でイナ寿
司を「うまい」言って喰べたそうですが、いやは
や、長州人の生臭好きには感心しましたね。
 毛利の殿様の座敷に挨拶に出た桂太郎に私
が「今夜は、こちらへ泊りなされるか」と伺うと
「いや、殿様と同宿では恐れいるから」と名古
屋へすぐに戻りました。やはり昔の殿様と同じ
宿では、いくら師団長でも窮屈だったでしょうな。
 当時陸軍には「三太郎」という言葉が流行し
ていました。交際上手で人から親しまれた桂
太郎、作戦戦術家の仙波太郎、焼ちゅうを二
合入りのコップでギユッと呑んでからでないと、
普通の酒はたるいというが、しかし、カミソリの
ような児玉源太郎の三人のことです。
そしていつもニコニコしているが桂にはうっか
りしたことは言えないというのが定評でした。

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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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