2016年09月11日

「昔はなし」その60 白魚飯とイナ寿司

白魚飯とイナ寿司

 毛利新田の事務長の白井が辞めると、桑原
為善が代りにきました。やはり長州人でしたが
女好きでした。
 桑原が私の店へ来て白魚の飯を炊いてほし
いというのです。炊いて出すと白魚の入れ方が
少ないとの小言です。桑原は「白魚一升へ米
は二勺ぐらいだと白魚飯は美味しい」というん
です。とても、そんな生臭い飯は喰えるもので
はないんですが、長州人はそういうことは誠に
無とん着なんですね。
 私はこの連中が新田でイナを釣って寿司をつ
くっているのを見たことがありますが、まずイナ
をさいて水で洗います。その洗った水をこぼさ
ないで、飯のなかへ入れて寿司飯を炊くので
す。これにはギヨツトしました。
 その匂いだけでガアツと吐きそうになるのに
彼らは「うまい」と、それで寿司を作るのにはた
まげました。


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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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