2016年09月06日

「昔はなし」その55 板新道の起り

板新道の起り

 外堀の話のつづきですが、私が子供のころ、
この外堀に小舟を浮べて小魚を釣った想い出
もあります。
 いつも外堀には二つ三つの船が浮んでいま
した。人がこの外堀のある裏通りを歩くように
なると外堀の前の地所が次第に売れていきま
した。すると地主の方でも少しでも多く人を通し
たいということになり、堀に板をかけて便利な
ように工夫しました。それが板新道の起りです。
 そのうちに地所の値も出てきて、坪二円位に
なりました。三銭から六銭、そして二円となって
きたわけです。
 こうなると借家もできるし商家もできる、そし
て人通りは多くなる、板の橋では腐るからと、
それと堀も次第に狭まってきたので、板の代
りに石をかけて、その上に土を盛って便をは
かりました。こうして板新道はのちに華やか
な花街にまで発展していったのです。



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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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