2016年08月27日

「昔はなし」その45 屋根にのぼる雛様

屋根にのぼる雛様

 明治五・六年ころの吉田神社の祭礼の時でし
た。もっとも社殿竣工御遷宮祭でしたがその時
の協賛の余興が各町内で催されました。札木
町はその余興を札木町から吉田神社までずっ
とつないでやったらということになりました。今
のようにアドカーで街を走りまわったり、山車を
ひくのとはちがって、つくりつけのものでみんな
が、そこヘ見物に出かけるのです。
 なかでも奇抜なものの 一つは三月の雛祭り
でした。なにしろ雛段が道から人家の屋根にか
けてつくられ、それへ生きた人間の雛様がな
らぶのです。内裏様、官女、五人ばやしみな生
きた人間です。もっとも昼夜、ぶっつづけで座
っているわけにはいかないので、何人かが交
替するわけですが、お雛様の役も楽ぢゃあり
ませんでした。




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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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