2016年08月25日

「昔はなし」その43 「でんがく」と「からし」

「でんがく」と「からし」
 
 きく宗では「でんがく」のほかに「冷したくず
まんじゆう」とか「しっぽく」「ぞう煮」なども売る
ようになりましたが、いずれも雅味に富んだも
のでした。
 「でんがく」のからしは昔から用いていました。
今のはときからしですが、昔はほんとうのから
しでした。「でんがく」にはさんしょうがよい……
などと語る人もいますが、「でんがく」は春に多
いので、木の芽などをあしらった習わしから、さ
んしょうがよいなどというんですが、それは単な
る料理屋式の「でんがく」で、美味求真となれ
ばからしに限ります。なにかにつけて今は上
品になりましたが、昔はきく宗などは客が自分
で運んだものです。
 「でんがく」はからしでない方がよいと云々す
る人は鰻丼に吸物をつけさせる客のたぐいで
す。最近は「でんがく」にすら吸物附きとなって
御座敷向になりましたが、ほんとうの「でんが
く」の味は吸物なしでいくべきでしょう。

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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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