2016年08月23日

「昔はなし」その41 四人びきの人力車

四人びきの人力車

 人力車もなつかしいものです。急患者などが
あると医者は二人曳きで走ったものです。二人
曳というのは前のかじ棒に綱がついていて、
一人がその綱をひいて走るのです。
 それへまた後おしがついた三人曳きも現れま
した。三人曳きというのは、ほとんどが見得で、
俺はこれほどの人間だぞと高ぶりたい連中が
やったものです。
 札木の人力車のたて場は「飛び車」と呼んで
いました。主人公は男ぶりもよく、侠気もあり、
車もきれいでした。主として花柳界がお客で
した。
 この頃ですね、ゴムマリが流行したもので
す。ゴムマリがないころは風船をふくらめて、
それに糸をかがってついたんですが空気が
もれるとしなびてしまい子供はべそをかきま
した。豊橋にゴムマリがはじめて現れたのは
明治十年頃でしょう。そのゴムマリは洋品屋
にシャツなどと一緒にならべられて、子供ご
ころに珍らしく眺めたものです。



「四人びきの人力車」という題で「それへまた後おしがついた三人曳きも
現れました」となっていて数が合いませんが原文通りです。



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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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