2016年08月22日

「昔はなし」その40 馬車の流し

馬車の流し

 馬車がはじめて豊橋へ現われたのは七十五
年前の私が十才くらいでした。「馬車 のようさ
ん」と呼んでいましたが二頭立の馬車で、私は
よく乗せてもらいました。中は六人くらい乗れま
したが、駅馬車つまり、何処から何処まで定期
便でいく馬車ではなくて、そこらで呼びとめて好
きなところへ走ってもらうわけです。あまり遠く
は行ってくれませんでした。つまり、今の自動
車の流しのようなもので、人力車 へ乗るより
堂々としていると思う人が利用したわけです。
 田舎から出て来た老人たちが、この馬車に
出会ったりすると「いいものを見た」と喜んでい
たくらいですから、いかに珍しいものであった
かがよくわかります。豊橋の辻馬車はこれが
最初で最後でありました。


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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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