2016年08月04日

「昔はなし」その22 太田成之の教訓

太田成之の教訓

太田成之に「中庸」を習っているころ、成之は
精神教育が主で、私が参りましたとき「今日
は教えぬ」というのです。どうして教えていた
だけないかと言うと、お前の机の上の本がゆ
がんでいる。本がゆがんでいるのは精神が
ゆがんでいるのだと申されるのです。
 翌日もまた教えていただけないのです。
格子戸の開ける音が高すぎる、あれは粗暴
である、というのです。つぎの日にまた行くと、
戸の閉るのにスウとして音もない、あれでは
空巣ねらいだ。そうッと開けたら、最後にピタ
リと閉めるのが本当だと申され、四回目に行
ったとき、はじめて教えていただくことになり
ました。成之はそういう堅い人でした。



国立国会図書館デジタルコレクションより
「昔はなし」その22 太田成之の教訓

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Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)豊橋の昔はなし
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