2017年03月07日

「昔はなし」その232 高橋小十郎のパチパチ

高橋小十郎のパチパチ

 星亨が豊橋へやってきたおり、その歓迎会が
開かれました。高橋小十郎は、その閲歴や政
治的地位から、当然主催者になりました。とこ
ろが開会の挨拶には当人も弱り、聞かされる
方も弱りました。手にした扇子をパチパチやっ
ているだけで、高橋が何を喋っているのか、
さっぱり訳がわからないのです。
 この高橋が酔うと元気一倍で、義太夫が始り
ます。得意は大閤記と十種香でした。一本の手
ぬぐいを左右の手にもって、顔のあたりまで、
ねじりながら語るのですが、文句はさっばり判
りません。何かデーブー言いながら目をパチパ
チやっているだけです。三味線の方など意とし
ないで、これが三十分ちかくつづくんですから、
じっと、こらえて聞いている一座の表情も、ま
たおかしなものでした。

Posted by ひimagine at 06:00│Comments(0)
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